読み物

2024/11/16 15:58

温泉の特徴として泉質効果があります。お湯に含まれている化学成分やpHなどで種類が異なり、炭酸水素塩泉や酸性泉、硫黄泉、放射能泉など多岐にわたっていて、10種類ほどあるそうです。そのなかでも硫黄泉は末梢毛細血管を拡張させる効果があり、糖尿病、高血圧、動脈硬化などの生活習慣病にも効果があります。また、アトピー性皮膚炎や尋常性乾癬、慢性湿疹、表皮化膿症などの皮膚疾患、慢性婦人病や切り傷など、さまざまなものに広範囲に対応できるので万能の湯ともいわれています。*敏感肌や乾燥肌の人は注意が必要です。なぜ硫黄泉がこれほど体によいのかと言うと、それはムコ多糖と関係しているからです。硫黄泉の効能の主成分は硫酸イオンですが、この硫酸イオンは入浴して肌から吸収されると、体内でムコ多糖の主成分であるコンドロイチン硫酸に変化します。これは口からムコ多糖を摂取するのと同様の効果が得られるということです。つまり、硫黄泉に入浴することは、肌からムコ多糖を吸収することになるわけです。ですから、先ほど挙げた硫黄泉の効能は、ムコ多糖を摂取して得られる効果と、ほとんど同じ内容になってくるのです。硫酸イオンが体内でコンドロイチン硫酸に変化することを突き止めたのは、東京大学名誉教授で埼玉医科大学付属病院の院長を務められていた大島良雄教授です。大島教授は岡山の温泉研究所におられたときに、動物実験を行い、硫黄泉に毎日1回入ると動脈硬化が予防できることや、皮膚を作る皮下結合組織や繊維芽細胞が増加することを突き止めました。もともと、ムコ多糖タンパク含有食品のバイオコーブンは創業者である森本雅悠が、健康素材を探しているなかで、北欧のルーマニアを訪れた際に、現地の医師が温泉の成分を治療に使っているところを取材したことがきっかけです。ルーマニアでは関節炎やリウマチの患者さんの患部に、温泉の泥から抽出した成分を注射して治療にあたっていました。そこで、患者さんたちが持病を抱えながらも、肌は若々しくツヤツヤとしていたことからヒントを得て、バイオコーブンの商品開発につなげました。

*ムコ多糖と温泉 エヌティコーブン健康情報誌より抜粋